感想一部ネタバレ有り ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

見てきたので感想を書く。
以下、ネタバレを含む。

正直、期待はしていなかった。
しかし、劇場に足を運んだのは正解だった。

テレビ版50話を通しで少なくとも6回以上、下手したら10回近くは見たかもしれない自分にとって、エウレカセブンは名作である。

どうせなら、二人の続きを楽しみたいとも思うが、あのストーリーは完結しており、これ以上は蛇足に思えた。
そのエウレカセブンが映画になるということで、ハイエボ1はなんともいえない気分で視聴した。
結果、何がしたいのか分からない、というのが感想だった。

端的に言えば、そう面白くは感じなかった。
それゆえ、今回のANEMONEは見るかどうするかかなり悩みもしたのだ。
しかし、見ないでエウレカを語るのも違うだろうし、今後のためにも?見ておかねばならないと劇場に足を運んだ次第である。

裏切られた。
いい意味で、裏切ってくれたのではなかろうか。
ハイエボ1を何これつまんないこれじゃないと思った人は、もう一度騙されに劇場に足を運ぶ価値があるかもしれない。

TV版の再構築とか、強引に映画にまとめるとか、そういうことではないのだ。
普通に、新作映画だったのである。
TV版のカットもいくつか使われていたが、基礎の設定ごと作り直されているので、ぜんぜん引っ張られていない。
新しい。

新しいということは、分からないことが沢山出てくるということでもある。
印象的なワード、ニルヴァーシュ、アクペリエンス、スカブ、色々出ては来るけど、ぜんぜん違う物語が生み出されていた。

アネモネが違う。
これは、惣流・アスカ・ラングレー式波・アスカ・ラングレーになったくらい違う。
いや、もっと違う。
戦闘シーンで使われたTV版の表情が似つかわしくないと感じるほど別人だったと思う。

エヴァが新劇場版になったのより、差異は大きいのではないか。

そして、なかなかに面白い。
何が起こるか、話がどうなるのか分からない。
回想シーンだけ違う方式でキャラを動かすという、違和感の演出も上手いと感じた。

次につながる終わり方。
具体的にもっと描写してくれよとも思うけれど、謎はどの程度明らかにされるのか。
続きを見ないという選択肢はもうなくなってしまった。

ただ、こうなると分からないのは、なぜハイエボ1があのような、ツギハギの作りになっていたのかだ。
TV版のファンを引きつけるために仕方なかったのだろうか。
それとも、伏線として今後生きてくるのだろうか。分からない。

いまの時点では、普通に新しい(そして面白い)ハイエボ1を作っていたとしても、ちゃんと成立していたと思う。

いろいろ分からないが、思いのほか楽しめたので、ここに書いておく。